「戦士になりたいだと!?
    はっ、お前に全てを捨て去る覚悟があるのか!」
             グローリィ・セファイド

「ストーム!」
「パリィィィン!」
「勝者、ランス・D・シコースキーくん!」
マラー先生の声。
「はぁ、はぁ・・・よしっ!」
急いで駆け付けたが、何とか間に合ったようだ。
オレの試合はまだ終わってはいない。
「がんばって下さいね!あの、これ・・・どうぞ。
今、これしか持ってないんです。ごめんなさい・・・
でも、これを食べてがんばって下さい!応援しています!」
スピカにもらったパンをほおばる。
何となく、力が湧いてきた。
あの子に誓った。最後まであきらめないことを!
「最終試合、リックス・クルズバーンくん対ディーディ・ゴーンくん!」
マラー先生が言う。
リングの横で、ランスとすれ違った。
その顔が、「ここまで、来てみるんだな。」と言っているように見えた。
絶対に、追いついてやる!
そして、リングの上で会った相手は・・・
「あ、ケフェウスの町のセコセコヤロー。」
忘れもしねぇ、あん時の恨み晴らしてくれるっ!(第8話参照)
「あー、テメェなんかでもここまで来れたのかよ、えぇ!?
あのムサシとかゆー奴がいなけりゃ何もできねークセによぉ。
今度もまたボコボコに・・・」
「試合開始!」
セコセコヤローがしゃべってる間にマラー先生が試合開始を宣言した。
「1対1なら・・・てめぇなんかにゃ負けねぇんだよっ!
死ねーっ!!」
怒りの二連斬が炸裂した!
「パリーン!」
一撃でセコセコヤローが吹っ飛び、ライトガードが割れる。
ふっ・・・勝ったが、何故だかむなしい。

「はぁ・・・」
オレとムサシは2人で顔を合わせてため息をついた。
「拙者、2位だったでござる。」
「オレも。」
ムサシもセファイドに負けたのが響いたようだ。
「う〜・・・」
「やっぱりダメかなぁ・・・」
頭を抱えるオレら。
「くっそぉ、ランスとの試合さえちゃんとしていれば・・・」
「セファイド殿に勝っていれば・・・」
『うう〜っ!!』
2人で嘆く。
・・・女々しいとか言うな。
「まぁ、拙者の実力不足ゆえ、仕方ないでござる。
来年またがんばるでござるよ。
それまではケフェウスの町でバイトしながらローニン生活でござろうか・・・」
大きくため息をつくムサシ。
ムサシはそれでいいかもしれない。
だが、オレはどうする。
両親の敵討ちという夢さえ、受験に失敗して挫折してしまうのか。
そんなのは嫌だ!
『わぁぁぁぁ!!』
歓声。
「ああ、合格発表でござるか。」
声を横目に沈痛な面持ちのムサシ。
「まずは実技組から!文句なしの成績で勝ち進んだ、セファイド・ハートキー!」
試験官の声が響く。
「そして、ランス・D・シコースキー!
シャナ・パーシバル!」
次々と合格者たちの名が呼ばれて行く。
「合格者と戦って、勝ったらそいつの代わりに入学とか、どうかなぁ・・・?」
「試験官に直訴してみるでござるか・・・」
とか、勝手なことを言い出すオレたちだった。
「そして筆記組!スピカ・ティムナイト!
ライム・レストロイ!・・・」
あの少女は合格したらしい。
なかなか、素直に喜ぶ気持ちがでてこない。
嫌なヤツだなぁ、オレって。
「・・・以上だ。
そして、だ。筆記組の高得点者のうち、不正をした者が3人いた!
その諸君らは不合格はもちろん、今後一切の受験を禁ずる!」
強い口調で言う試験官代表。
「その3人の補欠入学者だが、その他の筆記の受験者は点数が低く、
入学基準には達していないと判断した。
よって、今年は実技試験の次点から補欠合格者を選出する!」
「はぁ、何か言っているでござるよ。」
「まぁ、オレらには関係・・・」
「まず、ムサシ・アイハラ!
ブライアン・アスレイド!そして、リックス・クルズバーン!」
一瞬、何を言っているのかがわからなかった。
そして3秒ほど経った後。
『関係あったぁっ!!』
オレとムサシは手を取り合って喜びを爆発させた。
涙でよく見えなかったが、壇上からマラー先生が笑顔でこちらを向いているのがわかった。
とにかく・・・
オレたちはこうして、ジェイサード学園の生徒になることができたのだ。


〜間奏 その2〜も見てみる
目次に戻る
一覧に戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送