こしあんノベルズホワイトデーお返しパクリプロジェクト
反対の世界
「算数なんて嫌いだぁ〜・・・」と伊藤。
「漢字なんて誰が考えたんだぁ?」と酒井。
今日も僕達は通いなれた道を帰っていく。
いつもはもっと他の話題の話すのだが、(ゲームとか。)
今日はテストがあったのでその愚痴ばっかり出てくる。
どうも、テストにはなんか魔力があるみたいだ。
今日も空は明るい。透き通るような青色をしている。
しかし、空の色とは反対に、話題は相変わらずブラックなテストの話ばかり。
「ねぇ、そんなことより今度発売のYBOXってどう思う?」
流石にテスト話題ばっかり続くとなんか暗くなるので、
ゲームの話題に切り替える作戦に出た。
「あー、あれはかなりいいよ。元の会社が会社だし。」
「この前出た格ゲーの試写も結構よかったしね。」
あっさり話題変換。(笑
こういうところが、この2人の欠点でもあり、いい点でもある。
自由で、怠慢な日々。
何をしても面白かった。
そんな至福の日々の中の、ささやかな願い事。
「あーあー。勉強なんてなくなればいいのに。」
それが全ての始まりだった気がする。
一瞬の出来事。
なぜか目が回り、胃の中の物が喉までくる感覚を覚えた。
周りの景色がどんどんと変わっていく。
地震か?
いや、違う。揺れていない。
―それじゃぁ・・・何?
しかし、彼、松永の意識はそこで、
途切れてしまった。
・
・
・
「ほら、起きなさい。今日も学校があるよ!!」
・・・・あれ?
今、伊藤や酒井と一緒に下校していたはずなのに・・・・
それに・・・・
ナニカヘンナコトガオコッタキガスル
気のせいかなぁ・・・・・
でも、今はそんなこと言ってる時間はない。
うちの母が、僕を起こす時は、そーとー時間がないときだけだ。
という事は・・・・
つまり・・・・・
遅刻確定。
トーストをくわえ、片手にカバンを持ちながら全速力で家を出た僕(またベタなネタ・・・
そして、やはり寝坊したらしい伊藤と酒井に途中でであった。
そして、もーあきらめた僕たちは昨日(?)の奇妙な事について話し始めた。
「やっぱお前もか。俺もさ。そんな感じだった。」
「そう。なんか、くるくると回ってる感じだったよね。」
「そして、気がついたら朝になってた。」
「どういうことなんだろう・・・・・」
いつものごとくぺちゃくちゃ喋って、気付いた時にはもうすぐで遅刻だった。
なんとかギリギリセーフで教室に到着すると、そこには驚くべき光景が待っていた。
なんと、全員の机の上にプレ○テ2が置いてあるのだ。
「・・・・・・・・」
「なんだ、3人とも。今日はギリギリセーフか。」
担任の加藤先生が、おどけた口調で言った。
「・・・・今日って4月1日だったっけ。」伊藤
「4月馬鹿の時普通学校は休みだぜ?」と、酒井。
「なにぶつぶつ言ってるんだ?1時間目はRPGの授業だぞ。早く座れ。」
RPG・・・・?授業・・・・・・
「え、先生、授業って普通算数とか国語とかじゃぁ・・・・」
加藤先生が不思議そうに首をかしげた。
「何言ってるんだ?そんな遊びを学校でやるわけないだろう?」
「そうだぞ!なぁ〜にを言っておるんだこのバカチンが!」
クラスメイトの牧が学校名物校長先生の物まねをして、皆の爆笑を受けた。
僕たちは、爆笑の中を、とぼとぼと席についていった。
「オイ、俺はSFとかそういうのは信じねぇ性質だが・・・・もしかして・・・・」
『ゲームと勉強が入れ替わった。』3人同時にハモる。
「とりあえず、この状況だと信じないわけにはいかないみたいだね。」
黒板に、RPGの由来を書きながら、「RPGは何の略語か知っている人」と、
加藤先生が大真面目に聞いて、
クラス1の優等生町田が「ロールプレイングゲームです」とハキハキと答えている所を見て、
3人はそう結論付けた。
しかし、そこは流石にゲーム好き。
3人は2時間目(アクションゲーム)から自然に授業に溶け込み、
3時間目の格闘ゲームの授業で見事TOP3を独占した。(町田が悔しそうな顔をした。)
4・5・6時間目と淡々とこなし、3人はこの世界にも慣れてきた。
6時間目(ゲームとインターネットの関係)の授業中、伊藤がこんなボヤキを言った。
「なぁ、こっちの方が楽しいよな。これが続いてくれればいいんだけどなぁ。」
しかし、この発言は30分後撤回される事になる。
学校が終り、下校となり、3人は珍しくクラスの皆と帰ることにした。
「なぁ、今日何して遊ぶ?」クラス1の遊び人福田が聞いた。
「ゲームだろ?」伊藤がうっかり口を滑らした。
そっか。ここでは逆だったんだ・・・
と思うも、もう遅い。次の瞬間、伊藤は皆から白い目線で見られていた。
てことは・・・・まさか・・・・・こっちの世界の遊びは・・・・
「なぁ、今日、『週刊算数』の発売日じゃねぇか?」
やっぱり・・・・・・
周りからあ、そうだったという類の声が聞こえる中、3人は頭を抱えた。
「えへへー。実は今、『月刊漢字』、もってるんだー」
これは、通常で言うと下校中に漫画雑誌を読むことと同じ事なんだろう。
(注:よい子は絶対にまねしないでください。)
と、松永は1人納得していた。
「そうだ、今、家に週刊算数の特大付録、『数学検定もこれでばっちり!』があるんだ!見にこない?」
目立ちたがり屋玉置のその発言に、クラスのほとんど全員が狂喜して、玉置の家に走っていった。
「あれ?3人はいかないの?」
風見鶏的な小塚の誘いに、3人は首を振るしか出来なかった。
それから、3人はしばらく無言で歩いた。
沈黙を破ったのは、伊藤だった。
「前言撤回するよ。やっぱりゲームは遊びだからこそ楽しいんだ。
算数や国語は授業だからそれらしいんだ。
やっぱり、急に価値観が狂うといやだよ・・・・
もう、元の世界に戻りたいよ。」
一瞬の出来事。
なぜか目が回り、胃の中の物が喉までくる感覚を覚えた。
周りの景色がどんどんと変わっていく。
また、あの現象だ。
てことは、僕たちは僕たちの世界に帰れるって事なのかな?
うん。僕も帰りたいよ。
完。
注:この小説は、筆者が小学生の頃の学芸会の劇のシナリオに、
こしあんが大幅に加筆修正を行ったものです。
ちなみに著作権の部分は考えておりませんので、
取り扱いにはご注意ください。
ちなみに、だれも彼らが元の世界に返れたとはいっていませんよ?
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