「いいか、真実を見抜くことが重要なんだ!
    ・・・って、言うだけなら簡単なんだよなぁ〜。」
             ある探偵の言葉より

「よし、遅れた分は取り戻せたみたいだな。」
オレたちはライスク寺院の前に降り立った。
辺りに人の気配はない。
「さあ、目指す洞窟は寺院の隣でござるな。」
ムサシがなぜか説明口調で言う。
「けど、見事に壊れてるわね。
心ない奴の攻撃魔法で吹っ飛ばされたって聞いたけど。」
シャナの言う通り、国の指定文化財になっているライスク寺院は半壊していた。
「まぁ、目的は寺院じゃない。早く洞窟に行こうぜ。」
オレはそう言いながらも、冷や汗が出てくるのを隠すことができなかった。
あれは・・・夢、だよな。そうだよな、うん・・・(あのひとをさがして参照)
「そうですね、のんびりしていると他の班に追いつかれてしまいますし・・・」
スピカがそう言い、みんなも歩き出す。
寺院を抜けると、洞窟への入口が見えてきた。
「でっかい洞窟だねぇ〜。何か緊張するね。」
緊張感のかけらもない声で、ブライアンが言う。
・・・黙ってろ、お前は。
「モタモタしない!置いて行くわよ。」
懐中電灯を握り締めながら、強めの口調でシャナが言う。
コイツには言われたくないって思うのは、オレだけだろうか・・・?
「さ、さぁ、リックスさんも行きましょう。」
スピカがすかさずフォローに回る。
「ああ、そうだな。」
スピカに心の中で感謝しつつ、オレは答えた。
そして、ムサシと顔を合わせ、うなずく。
「っと・・・いきなり来たな。」
「そのようでござるな。」
そう言い合い、左前方、明かりの届かない暗闇の中をにらみつける。
「・・・何がよ?」
「ほぇ?」
シャナとブライアンが聞く。
「あっちに明かりを向けてくれ!」
そう言いながら、オレたちは剣を抜いた!
戦闘・・・開始だっ!
「キシャアアアア!」
現れたのはゴーストとマウンテンスライム!
しかし、今のオレ達の敵ではない。
「はぁぁぁぁっ!」
「せいっ!」
気合一閃!モンスター達は跡形もなく消え去った。
「な・・・何でわかったんですか?」
不思議がるスピカにオレは答える。
「う〜ん・・・オレん家が森の中だったから、自然に身に付いちまったんだよ。
森の中って、視界も狭いし、モンスターも多いからな。」
よーするに、田舎モンゆえ身に付いた能力、ってことなんだけど・・・ι
「拙者の場合、流派が不特定多数の敵を倒す事を目的としているからな。
人や魔物の気配には鋭敏でなければならぬのだ。」
そう言って胸を張るムサシ。
そー言やコイツ、大勢の敵との戦いでやたら強かったっけ・・・
「んなこと、どーでもいいわ。さっさと行くわよ。」
お荷物扱いしていたオレとムサシが活躍したのが気に食わないのか、
吐き捨てるように言うシャナ。
コイツ、絶対ぇいつかシメる。マジで。
「けど、こー暗い上に迷路みたいになってたら、
どこをど〜行けばいいのかさっぱりわからないね〜。」
なぜか笑顔で言うブライアン。
「まぁ、歩き回って探すしかないであろうな。
はぐれたら危険だ。皆で行くとしよう。」
ムサシの提案にうなずくオレら。
さぁ、目指すは地下4階!


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